ドイツの古城【ハイデルベルク城】

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ハイデルベルク城


HeidelbergerinによるPixabayからの画像

 

赤い屋根が建ち並ぶその向こうに、戦火によって破壊され続け、今もなおその姿を残したまま佇んでいる古城、ハイデルベルク城。

 

国名/所在地

ドイツ連邦共和国/バーデン ヴュルテンダルク州 ハイデルベルク市

 

建築様式

ロマネスク様式 / ゴシック様式 / ルネサンス様式

 

概要

ハイデルベルクの象徴であるこの古城は、プファルツ継承戦争(✽)で破壊されるまで、プファルツ選帝侯の居城でした。

1693年に一部のみ修復されています。

その後は、廃墟の風情がロマン派の芸術家たちを魅了していきました。

ハイデルベルク城は、いくつもの城館や施設、塔、庭園で構成されていて、城館はかつて居住していた人物の名前が付けられました。

また、城主が代わる度に、ロマネスク、ゴシック、ルネサンスと様式が混在していき、その時代の造りが見られます。

イギリス館
フリードリヒ5世の妃、エリザベス・スチュアートに由来。
ハイデルベルク城最後の大規模な建築。

オットーハインリヒ館
プファルツ選帝侯であるオットーハインリヒに由来。ドイツの地で初めてのルネサンス建築。 

フリードリヒ館
マンハイム創設者、フリードリヒ四世に由来。この城最初の宮殿建築。
17世紀に大火災で壊滅状態となり、18世紀に再建。
その後、内装はネオルネサンス様式で造形。 

ルートヴィヒ館
選帝侯ルートヴィヒ五世に由来。
1524年に建設され、居城として用いられていた。1764年火災により焼失。 

 

建設の歴史

文献によると、ハイデルベルクの名が初めて現れるのは1196年頃とされています。

ヴォルムス司教領の小さな村に過ぎなかったこの地は、13世紀頃、神聖ローマ帝国皇帝を決める特権を持つ選帝侯、プファルツ伯オットーハインリヒの居城としたことにより名を広げました。

15世紀の初頭には、ドイツ王ループレヒトによって強固な城塞へと発展していきます。

17世紀にはいり、プファルツ伯は新教徒に改修したため、最後にして最大の宗教戦争となった三十年戦争の際に旧教徒派の皇帝軍の侵略により、ハイデルベルク城は荒廃してしまいます。

さらにその後のプファルツ継承戦争などによって、城内のほとんどが破壊されてしまいました。

1803年にバーデン大公国領の所属となり、市街は復興されたものの、お城は今も廃墟に近い状態で現存されています。

 

古城の伝説

ハイデルベルク城にはいくつもの伝説があります。その中で、城門にまつわる伝説とテラスの床の足跡にまつわる伝説について。

「悪魔の一噛み」

城門塔の城門は、鉄製のリングが取り付けられており、使者が訪れた際の合図に使う為のものでした。

ある時城主が言いました。

「このリングを噛み切った者に城を譲る!」 と。

大勢の者がこれに挑戦し、失敗していきました。

そんなある日、人ならぬ悪魔がこの事を聞きつけ

「我こそ城主になる!」と、

何度も挑むのですが、悪魔の丈夫な歯をもってしても、成功しませんでした。

現在も城門のリングには、その噛み跡が小さく残っているのです。

「騎士の跳躍」

テラスの床には、”騎士の足跡”と呼ばれる足型の小さなくぼみがあります。

これは、お城が火事になって、一人の騎士が逃げ場を失い窓から飛び降りました。その時についた足跡とされています。

騎士は奇跡的にも無傷だったとか。
または、フリードリッヒ四世が泥酔して、宮殿から飛び降りた際に出来たものだと伝われています。

 

まとめ・感想

ノイシュバンシュタイン城ホーエンツォレルン城、そしてこのハイデルベルク城は、ドイツの三大名城とされています。

三つの中でハイデルベルクだけが廃城となっており、一部を除いてはそのまま現存されている事に驚きます。

ここに訪れる人々は、その姿を目の前にして何を思うのでしょうか。 

 

アクセス/チケット

アクセス:フランクフルト中央駅⇒電車乗り継ぎ 約1時間⇒ハイデルベルク中央駅⇒バス㉝番 約15分⇒ケーブルカー乗り場の前⇒シュロス駅 約2分(徒歩でも行けるそう)⇒お城着

チケット:ケーブルカー乗車券とお城入場券(薬事博物館込み)のコンビチケットがあります。
城内部を見るには、別にガイドツアーチケットを購入との事。(ドイツ語と英語のみ) 

※アクセス及び、チケット情報については、あくまでも”参考まで”と思っていただけたら幸いです。その都度、各公式サイトにて、お調べ下さい

 

✽フランス国王ルイ14世とアウグスブルク同盟との戦い

 

参考資料:ヨーロッパの古城+宮殿がよくわかる本/桐生 操 監修(株)レッカ社編著 2010年

参考資料:世界の城郭 ドイツ・北欧・東欧の古城/太田静六 著/㈱吉川弘文館(新装版)2010年

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