中世西ヨーロッパの建築様式
1000~1200年頃までのゴシック建築以前の建築様式で、ビザンティン建築と同じ時代に生まれました。
異民族や異教徒との戦いに明け暮れた暗黒時代を経て誕生したロマネスク様式は、教会や修道院のための建築様式なので、巡礼路にたくさん造られています。
俗世間と離れた場所で修行僧たちが禁欲的な生活を送る場なので、森や谷の奥、山頂など僻地に多く見られます。
特徴
ロマネスク様式は、ある一定のルールがあるわけではなく、バシリカ(✽1)の建築様式を取り入れており、それをアレンジしています。
身廊(✽2)の天井は石で構成されたトンネル型のヴォールト形式(✽3)で、ヴォールト同士が交差する交差ヴォールトが一般的になります。
この石の天井を支えるため、壁はとても厚く(1m以上あるとも)造られています。
窓は、開口部が半円形のアーチになっており、非常に小さくて控えめです。
一番の特徴は柱頭の造りでしょうか。
ロマネスク様式の建物
ピサ大聖堂【イタリア】
ローマ建築様式を取り入れている。アーケードのアーチと柱がロマネスク様式の古典的ファサードとして発達。
トリーア大聖堂【ドイツ】
ドイツ最古の街トリーアにて初期ロマネスク建築の大聖堂。
ノートルダム・デュ・ポール教会【フランス】
厚い壁と半円アーチの窓、特徴的な柱頭。
ロマネスク様式を取り入れてる古城
✽1 ローマ時代に裁判所、取引所などに用いられていたドーム型建築
✽2 教会堂においての、入口から祭壇前までの間の事を指す。その左右を側廊と言い、この二つは列柱で区分されている。
✽3 英名。日本語では、穹窿(きゅうりゅう)と訳。アーチを平行に押し出した形状(かまぼこ型)のこと。建築構造の総称。
コメントを残す