ユッセ城

緑の森に囲まれた、ロワールの美しい古城。
「眠れる森の美女」はここから生まれました。
国名/所在地
フランス共和国/フランス中西部、アンドレ=エ=ロワール県 レニ・ユッセ村
概要
ロワール渓谷にある古城の一つで、童話【眠れる森の美女】のモデルと云われています。2000年には、「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」の名称で、世界文化遺産に登録されました。
ユッセ城は、11世紀に木造で出来た要塞でしたが、後の15世紀~16世紀にかけて増改築されました。ルネサンス、ゴシック、古典様式など、さまざま建築様式が見られます。
東館が15世紀のゴシック様式で、西館が16世紀ルネサンス様式、南館はルネサンス様式と古典様式が混在した作りになっています。
現在は、ドゥブラカス侯爵私有の邸宅になっています。
建築様式
ルネサンス様式、ゴシック様式、古典様式
建設の歴史
1004年、誰もが恐れるバイキング、ギルデュアン一世が木の要塞を作ったのが始まりです。
1455年、廃墟となっていたところを、フランス王シャルル七世の重臣ピュエイユ伯ジャン五世が建設。その後、幾度となく増改築を経て、現在のメルヘンチックな姿になったとされます。
中世の暮らしや、童話のワンシーンを再現!
城内では、シャルル・ペロー(✽)作の【眠れる森の美女】のワンシーンや当時の暮らしぶり、衣装などが、ろう人形を用いて再現されています。
木製の螺旋階段や、ヴェルサイユ宮殿の建築にも携わった建築家フランソワ・マンサールが手掛けた大階段。
49個の引き出し、隠されたイタリア式キャビネットは16世紀のものだそうです。見事な螺鈿(らでん)の装飾が散りばめられていて見応えがあります。また、森に囲まれたユッセ城を描いたタペストリーが飾られています。
テラスや庭園は、ヴェルサイユ宮殿の庭師だったル・ノートルによるものです。園内は、ルネサンス様式の礼拝堂や、ワインを保存していた洞窟などがあります。内覧も出来ます。
まとめ・感想
要塞から宮殿仕様のお城に様変わりしたユッセ城。15世紀~16世紀のフランスの歴代の王、シャルル八世やフランソワ一世は、頑丈で戦い向きな要塞より、優美で壮麗な城を好んで建てました。ユッセ城もまた、美しい宮殿の様相で人々の心を魅了し続けているのではないでしょうか。
✽17世紀のフランスの詩人。ペローは、ユッセ城の姿に創作意欲を掻き立てられ、「眠れる森の美女」を執筆したとされています。(そもそもは、ヨーロッパで古くから伝わっている民話だそうです。)代表作に、「赤ずきんちゃん」「シンデレラ」「長靴をはいた猫」などがあります。
参考資料:ヨーロッパの古城+宮殿がよくわかる本/桐生 操 監修(株)レッカ社編著 2010年
参考資料:世界一美しい夢の城図鑑/世界のお城研究会 編/宝島社 2014年
他多数のWebサイトから参考にしております
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