ハンガリーの古城【ブダ城】

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ブダ城(ブダ王宮)


Source: URL : Pixabay

中欧での美しい街ブダペストを見下ろすブダ城

破壊と再建を繰り返してきた壮麗な宮殿です。

 

国名/所在地

ハンガリー / ブダペストの丘陵地

 

概要

中欧ハンガリーの首都ブダペストは、その美しさから『ドナウの真珠』とも呼ばれており、『ブダペストのドナウ河岸とブダ地区およびアンドラーシ通り』として世界遺産に登録されています。(1987に最初の登録、2003年に現在の名称となりました。)その中心にあるのがブダ城(ブダ王宮)です。

13世紀に蒙古軍やその後のオスマン帝国軍の攻撃、さらには火災による破壊と再建を繰り返します。

18世紀にはマリア・テレジアにより大改築が行われるも、2度にわたる世界大戦で再び損傷します。

現在の姿は20世紀になって修復されたものとなります。

 

建築様式

ゴシック様式、ルネサンス様式、バロック様式

 

建設の歴史

1241年~1242年、蒙古軍の攻撃を受け現在のブダ城の基となる砦が破壊されます。ハンガリー王ベーラ四世ブダ(オーブダ)の丘陵地に居住用の塔を備えた城塞を築きます。

14世紀には神聖ローマ帝国皇帝でもあるジギスムント国王によって城壁のあるゴシック様式の王宮に改造されます。

15世紀後半、マーチャーシュ王により、ルネサンス様式へと改修されます。この時代には中欧一の強国となります。

1526年~1541年、オスマン帝国との戦いに敗れ、トルコ支配下に入ります。

1578年、火薬保管庫に転用されたお城が爆発事故によって、そのほとんどが失われてしまいます。

♔ 王宮を火薬保管庫に使うなんてΣ(゚д゚lll) なんて・・・もったいない・・・・・・(>_<)

1690年~トルコ支配から脱し、お城は改築されます。

♔ 1867年にはオーストリア=ハンガリー帝国となります。普墺戦争で敗戦となったオーストリア(ハプスブルク帝国)は、ハンガリーと同君連合を形成します。

ハプスブルク家から一人の皇帝を立て、ハンガリーは別国家扱いの二重国家としつつも、オーストリア(ドイツ人)、ハンガリー(マジャール人)、さらに、領内にはチェコ人やクロアチア人という多民族国家という複雑さです。

この時の皇帝はフランツ・ヨーゼフ一世でありハンガリー王を兼任していました。

実質ハプスブルク家支配になっている18世紀に、マリア・テレジアによって建築家ジャン・ニコラ・ジャドウのもと大改築が行われます。1770年に完成します。

1848年に起きた革命でお城は破壊されてしまいます。

♔ 1872年、西のブダ市と東のペスト市が合併しブダペスト市となりました。

1904年ネオ・バロック様式で再建されますが、その後2度の世界大戦や1950年~1956年に起きたハンガリーの動乱により再び破壊されます。

1980年に復元され現在の姿となります。現在セーチェーニ図書館国立美術館ブダペスト歴史博物館となっています。

 

ブダ城と一緒に見たい美しい名所(王宮の丘エリア)

ブダ城(王宮)の『王宮の丘エリア』で観光名所となっている2つの建造物と聖王の銅像。

マーチャーシュ聖堂(正式名は聖母マリア聖堂・・・1255年~1269年、ベーラ四世によって建造したのが元になっています。

その後マーチャーシュ一世が大改築を行ったことにより、この名が付けられたとされます。ハンガリー国王歴代の王たちの結婚式や戴冠式が執り行われていました。

♔ オーストリア皇帝兼ハンガリー王であるフランツ・ヨーゼフ一世と夫人エリザベート(シシィ)の戴冠式もここで行ったそうです。

約80メートルの高さにのぼるゴシック様式の尖塔と、ハンガリーの名釜『ジョルナイ』のタイルを装飾した屋根瓦が美しいと言われます。

元はゴシック様式だった聖堂は、オスマン帝国以降バロック様式へ改築され、19世紀にはネオ・ゴシック様式となり現在に至ります。

 

 

Source: URL : Pixabay

漁夫の砦・・・マーチャーシュ聖堂にも関わったとされる建築家シュレク・フリジェシュにより、1895年~1902年にかけて建てられました。

7つの尖塔を持つネオ・ゴシック様式とネオ・ロマネスク様式が融合されたテラスからは、ブダペストの美しい街並みが見られるそうです。

元々は7つの城壁だったものを1896年のハンガリー1000年記念に回廊として改築されます。

この7つには意味があり、ハンガリーを建国したマジャール人の部族が7つあった事にちなんで、7つの城壁を造ったとされます。

また『漁夫の砦』の名称の由来には諸説あるそうですが、昔この周辺に魚市場があったため、もしくは漁夫がここ一帯を守っていたことからとも言われています。

聖イシュトヴァーン騎馬像・・・マーチャーシュ聖堂と漁夫の砦の間にある、広場の中央にそびえる銅像は、ハンガリー初代国王イシュトヴァーンの騎馬像です。(在位・1000~1038年)

 

まとめ・感想

戦争や革命によって破壊と再建を繰り返してきたブダ城(王宮)は、ハンガリーの美しい街ブダペストにてシンボル的な存在として佇んでいます。

創建当時は王城としての城郭だった事が、お城の西南側にある巨大な堡塁などで見られるそうです。

今回、ブダ城を取り上げるにあたり、ハンガリーという国について調べているうちに、私の中では存在感がうすかった(←失礼(汗))国でしたが、美しいと讃えられる街並みを実際に見てみたいと思いました(^^♪

 

 

参考資料:世界の城郭 ドイツ・北欧・東欧の古城/太田静六 著/㈱吉川弘文館(新装版)2010年

参考資料:世界一美しい夢の城図鑑/世界のお城研究会 編/宝島社 2014年

他多数のWebサイトから参考にしております

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