リトミシュル城
Marek BartoníčekによるPixabayからの画像
チェコを代表する作曲家スメタナの生家がある、リトミシュル城。
ズグラッフィート技法の壁画が美しい古城です。
国名 / 所在地
チェコ共和国 / ボヘミア地方パルドゥビツェ州、リトミシュル
建築様式
ルネサンス様式
建設の歴史
1568年~1582年、この地方の領主であったブラティスラフ2世ペルンシュテイン公はスペインから嫁いできた妃マリア・マンリック・デ・ララのため、イタリア建築家の設計のもと、当時のボヘミアでは珍しいルネサンス様式の宮殿を築きます。
1999年にユネスコ世界遺産に登録されています。
♔ 妃ララは花嫁道具の一つとして『プラハの幼子イエス』の聖像を持って、ブラティスラフ2世のもとへ嫁いできました。宮殿はその後、娘のポリセナへと引き継がれますが、彼女は子供を成さなかったため、カルメル会修道院『勝利の聖母教会』へ1628年に寄贈されます。
『プラハの幼子イエス』は、幼子のイエスが顕現した僧が作らせたとされます。この聖像のもとへ多くの巡礼者が訪れます。また世界中のカトリック信者から服の寄贈があるそうです。オーストリア女大公マリア・テレジア自ら刺繍を施したドレスが展示されているとのこと。
ズグラッフィート技法による壁画
リトミシュル城の外壁はズグラッフィートという技法で、聖書の物語をモチーフにした絵(装飾)が描かれています。その数は8000点とも言われ、同じものは一つとないそうです。見た目が封筒に似ている事で「レターズ」とも呼ばれているそうです。
ズグラッフィートとは、対照的な2色(例えば黒と白といったような)の漆喰を用いて色を重ねた時に、上に塗った色を削って模様を描く装飾の技法です。
♔ このタイルに見える部分も面白いのですが、上部の屋根の返しの部分の絵(装飾)が気になります。資料写真ではアップが見つけられず・・・(>_<) そして中庭側にある壁画も実際に見てみたいですね(^^)
中庭を囲う三層からなる回廊
お城の中庭を囲う様に三層の回廊になっており、二階部分に城主の居室などがあります。公開されているお部屋は10数室あり、このお城を訪れたフランツ・ヨーゼフやマリア・テレジアの肖像画が飾られています。
『馬の間』には馬の絵が何枚も飾られています。お城の招待客の馬をつないでおくためのお部屋です。この部屋の隣に大きな階段があり、そこから乗り入れてたとされます。
♔ 貴族だからなのか、お金持ちだからなのか、やる事のスケールが凄いです・・・( ̄▽ ̄)
チェコの作曲家スメタナの生家
ベドジフ・スメタナ(1824~1884年)はリトミシュル城内にあるビール醸造所で働いていた父親と3番目の妻である母親との間に長男として誕生します。現在は博物館となっています。
リトミシュル城の中庭で毎年6月末か7月の初めにスメタナの国際フェスが開催されています。
まとめ・感想
外壁のズグラッフィート技法の装飾は本当に美しく、時間が許す限りずっと見ていらる自身がありますo(^▽^)oリトミシュル城の壁画は8000点もあると言われていますが、一つとして同じものがないというのも驚きますね(°д°)
ちなみにこの技法が施されている建築物、チェコではめずらしくないようで、16世紀後半頃にはチェスキー・クルムロフの家の壁のほとんどにこの技法が使われていたそうです。
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