チェコの古城【チェスキー・クルムロフ城】

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チェスキー・クルムロフ城


Markéta MachováによるPixabayからの画像
1度は捨てられ荒廃した町チェスキー・クルムロフ。

新たに美しく蘇ったチェスキーの町を見下ろす、チェコではプラハ城に次ぐ大きな城館、チェスキー・クルムロフ城です。

 

国名 / 所在地

チェコ共和国 / 南ボヘミア州、チェスキー・クルムロフ

 

概要

町そのものが世界遺産として登録されているチェスキー・クルムロフ。オレンジ色の屋根やパステルカラーの壁が建ち並ぶ美しい町です。

ヴルタヴァイ川沿いの崖の上から町を見下ろすチェスキー・クルムロフ城は、チェコではプラハ城に次ぐ規模の古城です。

高い塔と横に長く伸びた敷地内の建物郡の壁には、至るところにズグラッフィート装飾技法により視覚的に騙され、また歴代の城主たちによってゴシック、ルネサンス、バロック、ロココと建築様式が変化し混在していきました。

 

建築様式

ゴシック様式、ルネサンス様式、バロック様式、ロココ様式

 

建設の歴史

起源は13世紀。南ボヘミア貴族ヴィテーク家が創建します。

14世紀には、ロジェンベルク家が所有します。その後、手工業や交易が盛んになり、16世紀に入ると時代はルネサンス様式へと移行していきます。

ロジェンベルク家は財政難だったため、スグラッフィート装飾技法による、平面を立体的に見せる『だまし絵』を至るところに取り入れます。

1601年、チェスキー・クルムロフの町もお城も借金の抵当に入れられていた為、時の神聖ローマ皇帝ルドルフ2世に渡りました。

1622年、神聖ローマ皇帝フェルディナント2世は、三十年戦争で財政面でも貢献したエッゲンベルク家に町ごと与えます。この時にバロック様式の建築物が増えていきます。

18世紀になると、エッゲンベルク家は断絶し、有力貴族であるシュバルツェンベルク家が町とお城を相続します。

領主ヨーゼフ・アダム・シュヴェルツェンベルクは、お城をバロック様式に改築、その際に劇場(バロック劇場)が増設されます。

19世紀、シュヴァルツェンベルク家はフルボカー城へ居を移します。

この時代、産業革命の波が押し寄せて、都市化する術もなく町は少しずつ衰退していき、お城も荒廃しました。

1989年、1968年に起きたチェコスロバキアの変革運動『プラハの春』を経て、町の景観の見直しや建造物の修復作業が急速に進められ、チェスキー・クルムロフの町はかつての美しさを取り戻します。

1992年、ユネスコ世界文化遺産『チェスキー・クルムロフ歴史地区』として登録されます。

 

チェスキー・クルムロフ城の見所

5つの中庭

第一の中庭・・・お城の正門である【赤い門】を通り右側が【塩貯蔵庫】であり観光案内所になります。左側に馬屋があります。

ここではクマが飼育されています。第一の中庭から第二の中庭へ続く手前に橋があり、その下の堀で飼われています。

クマが飼育されるようになったのは16世紀後半で、その当時の当主ロジェンヴェルク家はイタリアの貴族と親しく、その貴族の名にクマが由来されており、親交の証としてクマを飼い始めたと言われています。紋章にも2頭のクマが描かれています。

第二の中庭・・・第一の中庭から入って右側にバロック様式の【造幣局】があります。左側には17世紀後半に、かつて【硬貨鋳造所】として建築されましたが、法改正により一度も使用されなかったと言われる建物があります。現在は図書室となっています。正面奥には公爵の住居。

ここにはフラデーク(小さな城)と呼ばれる塔があります。(※有料で塔に登れます。)この塔は、13世紀前半にイタリア建築家によってゴシック様式で建設、16世紀後半に、ルネサンス様式へと改築されお城の中で最も古いとされています。

♔ このフラデークの塔は時を知らせる鐘が設置されています。18世紀には番人が居て、時計を回したり鐘を鳴らしファンファーレを吹いたりしていたそうです(^.^)

第三の中庭に面した建物から住居部分へと入ります。ここからはガイドツアーへ申し込まないと入れません。

お城のガイドツアーは2通り

ルート1・・・ルネサンスとバロックの時代(16世紀~18世紀)を中心に宮殿や各部屋、インテリア、仮面舞踏会の間や礼拝堂など。

ルート2・・・シュバルツェンベルク家の歴史が中心で、肖像画、ギャラリーなど。

※内部は写真撮影禁止です。

城の庭園・・・17世紀後半に造られた広大な庭園です。フランス式イギリス式庭園に大きく分かれています。左右対称と幾何学模様が特徴です。

バロック劇場・・・ガイドツアーに申し込んで見学します。その当時の最新の舞台装置をもつ劇場です。今でも再現出来るそうです。また、衣装や小道具なども現存します。(裏方や背景のセットチェンジが見られるとか・・・面白そう(^^♪))(ガイドツアーは約40分。)

 

まとめ・感想

手工業や交易で繁栄していたチェスキー・クルムロフの町と共に1度は荒廃していたチェスキー・クルムロフ城。しかし見事に復興され、かつての美しい景色を取り戻しました。

チェコは、かねてからずっと行きたい国の1つで、特にここチェスキー・クルムロフの町は今、最も行きたい地です。

チェスキー・クルムロフ城は、ガイドツアーのコースが2つに分かれているため、1度の訪問で全て見るのは難しいかもしれませんね(>_<)

 

 

参考資料:チェスキー・クルムロフ城公式URL=https://www.zamek-ceskykrumlov.cz/en

参考資料:世界一美しい夢の城図鑑/世界のお城研究会 編/宝島社 2014年

参考資料:世界で一番美しいお城 水野久美著/大和書房 2014年

他多数のWebサイトから参考にしております

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