シャンティイ城
David MarkによるPixabayからの画像
水辺に佇む姿は優雅で美しく、
ルネサンス様式の最高傑作!
と、いわれるシャンティイ城。
国名/所在地
フランス共和国 / フランス中部、ピカルディ地域圏オワーズ県の都市、シャンティイ。パリの北方約40kmに位置する。
概要
シャンティイ城の起源は古く、2000年前にガリア・ローマ人カンティリウスが城塞を築き、シャンティイの地名に由来したと云われています。
16世紀に建造されたプチシャトー(小城館)と19世紀に再建されたグランシャトー(城館)から成り立っています。
広大な敷地には、ヴェルサイユ宮殿の庭園を手掛けたル・ノートルの設計した、フランス式庭園や、ヴィクトール・デュボワによるイギリス式庭園などがあります。
モンモランシー将軍のもう一つの城、エクアン城の改修を手掛けた建築家ジャン・ビュランが増築を担当します。内部にある結婚式場は、現在も使用されています。その後、婚姻によって親戚になったブルボン=コンデ家の手に渡り、19世紀までシャンティイ城を守り続けていました。
オルジュモン家、モンモランシー家、コンデ家、オルレアン家と、四家に受け継がれてきた古城は、現在、オマール公が収集してきた絵画や彫刻などが飾られる『コンデ美術館』や、国立図書館に次ぐ、フランス第2の広大な図書室があり、世界中から訪れる人が後を立ちません。
建築様式
ルネサンス様式
建設の歴史
シャンティイ城は、1528年(16世紀)、領主オルジュモン家が、建築家ピエール・サンビジューに依頼して作らせました。
プチシャトーは1560年頃、多数の戦功をあげた、アンヌ・ド・モンモランシー(✽1)将軍の為に建てられました。
17世紀、フランソワ一世の息子、コンデ公アンリ二世の手に渡り、その息子ルイ二世の代にかけて、壮麗な城に改築されました。当時、モリエール、ラ・フォンテーヌら文豪が集まっていたと云われています。
18世紀の城主、ルイ4世・アンリは(ブルボン公=コンデ公)、「人間は、死んだら馬に生まれ変わる」と信じ、競馬場と、宮殿と見紛うほどの豪華な大厩舎を建てます。この厩舎では、240頭の馬と150頭の猟犬が飼われていたようです。(現在も飼育されていて、馬術ショーや調教デモンストレーションなどが催されています。)
♔ここでいう競馬は、日本で馴染みの競馬とは趣が違います。昔は貴族のお遊びとして競馬があり、その延長みたいな催しが開催されていたそうですよ(^_^)
18世紀後半、フランス革命(✽2)により、グランシャトー(城館)は破壊されてしまいます。
それから100年余りが過ぎてから、アンリ・オルレアン(オマール公)によって、現在の城館の姿になりました。
オマール公の亡き後、後継者が居なかったので、1884年、お城とともにフランス学士院に寄贈されました。
その一部が、「コンデ美術館」に飾られています。絵画の点数は800以上とも。フランスでは【ルーブル美術館】に次ぐ規模を誇ります。
このように、オマール公は城の修復だけに留まらず、絵画や彫刻の収集にも力をいれていました。
なかでも、ラファエロの「ロレットの聖母」、「オルレアンの聖母子」、「三美神」、アングルの「ヴィーナス誕生」など、世界の名だたる画家たちの作品が数多くあります。また、コンデ公の武勇ギャラリーなどがあります。
お城の改修当時、美術品を飾ることを前提に設計された、トリビューンと呼ばれる八角形の部屋の窓から、自然光が差し込む様になっています。
まとめ・感想
最後の城主であるオマール公は、集めた絵画の展示に関して一つ一つに気を配りながら、「外への持ち出し及び、展示物の配置替え一切を禁止する」と、遺言書まで残していたそうです。
シャンティイ城は、建築好きのみならず、絵画・彫刻好き、文学・歴史好き、そして馬好きの人には夢のような城ですねヽ(´▽`)/
♔ちょい足し情報
シャンティ城と日本の姫路城は、1989年5月11日に姉妹城提携を結んでいます。日本国内初の海外の城との姉妹提携だそうです。(出典元:姫路城公式ホームページ(姫路城大図鑑)
お城と同じ名前の生クリーム、又はソースがあるそうです。シャンティイ城で考案されたことに由来してのことです。
✽1 フランソワ一世の「王室最高司令官であり大元帥。お城の入口に向かい合って、モンモランシーの騎馬像が建っています。
✽2 1789年~1799年、絶対君主制の崩壊により、近代国家体制を築くきっかけとなった、フランス市民革命。ブルジョアと一部の貴族に、一般市民が加わって起こしました。1791年、王政廃止、ルイ16世処刑。革命側の対立による恐怖政治となって、ロベスピエールらが死刑となります。1795年、安定を求め総裁政府が樹立されますが、1799年にナポレオンのクーデターによって、政府は倒れ、革命は終止符を打ちます。
参考資料:ヨーロッパの古城+宮殿がよくわかる本/桐生 操 監修(株)レッカ社編著 2010年
参考資料:世界一美しい夢の城図鑑/世界のお城研究会 編/宝島社 2014年
他多数のWebサイトから参考にしております
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