スイスの古城【シヨン城】

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シヨン城


Image by MemoryCatcher on Pixabay

レマン湖畔に浮かぶ幻想的な要塞

中世の頃の姿を再現した、スイスで最も有名な【シヨン城】

 

国名 / 所在地

スイス連邦 / ヴォー州、モントルー近郊

 

概要

イギリスの詩人バイロンが書いた叙事詩『シヨンの囚人』の舞台となった、スイスの古城【シヨン城】

書面に最初に登場したのは1150年です。シオン司教の所有であったこの場所は、イタリアからグランサンベルナール峠を越え、レマン湖を抜け、フランスとドイツへ行く通り道だった事もあり、通行税を微収していました。

その後シヨン城はサヴォイア家の所有となり、13世紀に入るとお城を拡張していき、16世紀まで治めていました。

16世紀のベルン期では、260年以上要塞として、また、刑務所として使用されます。しかし1733年にこの城を去ることとなり、それ以降ヴォー州の財産となります。

19世紀末、お城の修復を担当していた考古学者アルバート・シャトロヴァによって、青銅器時代からの人の痕跡があった事が調査で発見されています。

シヨン城のコレクションのほとんどは、州立博物館で保管されていますが、観光客向けにお城の歴史説明を目的とし、城内博物館では、鎧、武器、宝箱、そして考古学的に貴重な”モノ”などが見られます。

 

建築様式

ロマネスク様式ゴシック様式、木造建築

 

建設の歴史

書面による最初の記録は、”1150年に初めて登場”とされていますが、後の調査により青銅器時代には集落や砦を築いていた事がわかります。

シヨン城の建つこの地は、古代より戦略的に重要な場所として利用されていました。あのジュリアス・シーザー(ユリウス・カエサル)もその一人だったとされます。

✽ジュリアス・シーザーは、シェークスピア劇『ジュリアス・シーザー』のセリフ『ブルータス、お前もか』で有名な、愛人の息子に暗殺された英雄です。ちなみに、たくさんいる愛人の一人は、古代エジプトの最後のファラオ(女王)クレオパトラです。

Gaius Lulius Caesar
ガイウス・ユリウス・カエサル・・・ラテン語読み
ジュリアス・シーザー・・・英語読み

12世紀に入り、これまでシオン司教の所有だったシヨン城は、イタリア、フランス、スイス一帯を征服していたヨーロッパの名門貴族、サヴォイア家の所有となります。

✽サヴォイア家は、現在のイタリア共和国の前身『イタリア王国』の王家。1946に王制廃止され、一族は国外退去、2002年まで帰国を禁止されていたそうです。(出典:Wikipediaより)

♔この『サヴォイア家』について調べていると、読み方が複数あって、「正しいのはど~れ~??????」と、なりました。

結果、どれも正しかった。つまり、

イタリア語・・・Savoia=サヴォイア
フランス語・・・Savoie=サヴォワまたは、サヴォア
英語・・・Savoy=サヴォイ

はい、解決ヽ(´▽`)/ 

13世紀、シヨン城はサヴォイア伯ピエトロ2世によって、拡張されます。この時が最も華やかな時代と言われています。

1532年~1536年、宗教改革者フランシス・ボニヴァールが捕らえられシヨン城の地下牢へ投獄されます。

✽ジュネーブ、サン・ヴィクトル修道院次長のボニヴァールは、マルティン・ルターに共鳴しジュネーヴで宗教改革の活動をしていたことによって、カトリック信者だった当時のサヴォイア伯の怒りを買い、シヨン城へ囚われの身となってしまったんですね。ベルンの侵攻によって解放されるわけですが、それまでの4年間を牢獄の柱に繋がれた生活を強いられており、その柱は今も残っているそうです。

この史実をもとにしたのが、バイロンの書き残した『シヨンの囚人』という長編叙事詩です。

1536年、勢力をましヴォー州に侵攻してきたベルン人(ベルンは、現スイスの首都)によって、お城は征服され、ボニヴァールも解放されます。

ベルン期(1536年~1798年)では、シヨン城には代官が代々お城を管理し守っていました。この時代は、要塞として、また刑務所として使用されています。

18世紀にヴォー州革命が起こり、1798年にヴォー州はベルンから独立します。その際、ヴォー州の所有となったシヨン城はその後修復され、現在に至ります。

 

シヨン城の見所


Image by suesun on Pixabay

シヨン城は、レマン湖の東岸に築かれていて、対岸を渡る橋が架けられています。上空から見ると船のようにも見えます。

湖側は住居、山側には見張り塔、濠(ほり)、二重の城壁が設けられ、まさに要塞。

また、時代が変わるにつれ増改築を繰り返しているので、異なる建築様式が見られるのは嬉しいですねヾ(*´∀`*)ノ

伝説の地下牢と柱

シヨン城には4つの中庭があり、16世紀後半に起きた地震後、造園された第一の中庭は、ロマネスク様式の丸天井や石柱などの旧建造物や、地下貯蔵室、そして投獄されていたボニヴァールの牢獄へと繋がっています。

また、階段の出口には、18世紀まで立っていた小さな地下礼拝堂へ通じる入口があり、現在はカロリング朝時代(フランク王国王朝751年~987年)の祭壇だけが残されています。

◆ボニヴァールの牢獄・・・創建は13世紀以前であり、元々は食料庫、兵器庫として使用されていました。その後、改築され13世紀末には牢獄として使用されます。

イギリスの詩人バイロンが書いた『シヨンの囚人』で有名なボニヴァールが囚われ、縛り付けられていたとされる柱は今でも残っているため見る事が出来ます。また、何度か訪れたバイロンがこの牢にある柱の一本に自分の名を刻んだとされる跡も見られます。(こちらは誰かのイタズラだという説が有力)

 

天守閣からレマン湖の大パノラマを一望

つづいて、第一の中庭から第ニの中庭へ。狭かった通路を1836年に拡張し、大砲が通れるようにしたとされます。

お城のほぼ中心に位置する第二の中庭からは、住居スペース、監視回廊、そして天守閣を見る事が出来ます。

◆大広間・・・13世紀初め頃に建造。サヴォイア時代の建築が中心ですが、20世紀初頭に補修されています。しかし、柱はほとんど当時のものだそうです。また、天井と暖炉は15世紀のもの。

16世紀のベルン期には、3つに区切られていて、北側は大きな厨房になっています。1836年に仕切りの壁は撤去されました。

2階は、現在、博物館となっているホール。当時は宴会・祝宴ホールとして使用していました。

◆紋章の間・・・中世の頃は『謁見の間』として使用。ベルン期(16世紀~18世紀)の、領主の代わりにお城を守る代官たちの紋章が壁に掲げられています。

ベルン軍はお城を占領後、武器庫、牢獄として利用し、自ら住むことはなく代官を住まわせていたんだそうです。

◆天守閣(主塔)・・・シヨン城で最も古い創建で、11世紀ごろのもの。1度塔を高く改築しますが、14世紀初期に改造され現在の姿になります。ここは2階の住居スペースと繋がっています。

♔ちなみに、天守閣(主塔)には防衛上の理由から1階に入口はありません。中世の要塞にはよくある造りで、通常は跳ね橋や出し入れ可能な梯子から出入りするそうです(^_^)

20世紀の修復工事により最上階まで行けるようになり、70段以上ある急な階段を登りきると、レマン湖の大パノラマが望めます。

第三の中庭は、サヴォイア家の時代には伯爵や従者の住居スペース、礼拝堂が建てられます。ベルン期には代官の住居、倉庫、武器庫として使用しています。

◆サン・ジョルジュ礼拝堂・・・サヴォイア家のプライベートな礼拝堂。丸天井や張り出し窓は13世紀中頃に改築されています。後に穀物庫として使用。19世紀に元の礼拝堂として使われます。

また、州立刑務所になってからは、囚人のための礼拝堂として使用されています。イタリアの影響を受けているとされる装飾画は、14世紀初期のもの。

第四の中庭は、防衛と旧街道の監視のために造られました。山側に防御塔と監視回廊が設けられています。

 

まとめ・感想

シヨン城は、大きく三つの時代に分けて語られます。サヴォイア家、ベルン人、ヴォー州。

その時代ごとに増改築も行われているため、いろいろな建築様式が見られるのもこのお城の特徴ですが、個人的に一番興味を惹かれたのは、一部の屋根や柱などに木造建築が見られることです。

見学は、公式のガイドツアー(フランス語、ドイツ語、英語)の他にオーディオガイド(ipod)、パンフレットなど(いずれも日本語対応)があります。平均所要時間は1~2時間くらいだそうですが、まあ、個人差がありますのでなんとも・・・(^_^;) 

オーディオガイドのレンタルは閉城時間の2時間前に終了だそうなので、ご参考までに。

※詳細は、シヨン城公式ウェブサイトでご確認下さい→https://www.chillon.ch/

 

 

参考資料:シヨン城公式URL=https://www.chillon.ch/

参考資料:世界一美しい夢の城図鑑/世界のお城研究会 編/宝島社 2014年

参考資料:世界で一番美しいお城 水野久美著/大和書房 2014年

参考資料:ヨーロッパの古城宮殿がよくわかる本 桐生操 監修/株式会社レッカ社 2010年

参考資料: 世界の城郭 ドイツ・北欧・東欧の古城 新装版 太田静六著/株式会社吉川弘文館 2010年

他、多数のWebサイトから参考にしております

 

 

 

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