難攻不落の要塞化された修道院【モン・サン・ミッシェル】

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モン・サン・ミッシェル


mikikonによるPixabayからの画像

海に浮かぶ【モン・サン・ミッシェル】

 

国名 / 所在地

フランス共和国 / ノルマンディー地方の小島

 

概要

10世紀にノルマンディー公リチャード1世により、修道院として建てられます。

修道院ではあるものの、周囲は円塔付きの城壁で囲まれ、石落とし、跳ね橋まであり、14世紀には城塞として改築されています。

後に監獄として使用され、現在は修道院の姿へ戻っています。

 

建築様式

ロマネスク様式ゴシック様式、ノルマン様式

 

建設の歴史

起源は708年。アバランス司教オベールが、大天使ミカエル(サン・ミッシェル)のお告げを受けた事から始まります。

それは、元々ケルト人の信仰地であるこの島の岩山に”聖堂を建てるように”とのお告げでした。

初めのうちこそ信じられなかったオベールでしたが、3度目にして自分の身体にその証を残され、礼拝堂を建てることにします。

966年、ノルマンディー公リチャード1世がベネディクト会修道院を建てます。その後も増改築を繰り返します。

防御設備が充実しており、地形の理もあったため、難攻不落の要塞となっていました。

11世紀、ノルマンディー公ギョーム1世はイングランドへ侵入する際、大修道院長の助力により勝利、後に英国領土を複数寄付します。

1103年、教会の北側が崩壊します。その10年後には、市内で火災が発生し修道院にまで燃え広がります。

また、その10数年後に再び火災が修道院を襲います。

1154年、ロバート・ソリニーが院長に選出されます。彼は多くの巡礼者を収容するため、建物をいくつか建設します。

13世紀には、建物に回廊、塔、城壁が建設されます。

メルヴェイユの建設にて、現在のような姿になります。

14世紀に入り百年戦争が始まります。

1356年、イギリス軍の標的になります。

1386年、ピエール・ル・ロイ新修道院長の下、入り口に新しく防御が造られます。

ロバート・ジョリベ院長が、貯水池を建設します。しかし、ノルマンディーの首都ルーアンとモン・サン・ミッシェル以外の地域全体がイギリス人に占領されます。

神父は修道院を放棄しイングランド国王に奉仕することにします。

1421年、ロマネスク様式の身廊が崩壊、百年戦争後、新たにゴシック様式で再建されます。

18世紀末、フランス革命にて修道院は廃止され、1863年まで監獄として使用されています。

1865年、ナポレオン3世によって再び修道院として修復されます。

1979年、「モン・サン・ミッシェルとその湾」としてユネスコの世界遺産へ登録。

また、1998年に「フランスのサンディアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路」の一部としても登録されています。

 

モン・サン・ミッシェルの見所

年間250万人ほどの観光客が訪れる人気の【モン・サン・ミッシェル】は見所もたくさんあります。

海に浮かぶモン・サン・ミッシェル

『聖ミカエルの山』という意味を持つモン・サン・ミッシェルの最大の見所は、満潮時に見られる幻想的な姿ではないでしょうか。

大西洋から来る湿った風によって発生する霧に包まれ、モン・サン・ミッシェルの建物群が海に浮かんでいる様に見えるといいます。

以前は、干潮の時しか島へ行くことが出来ませんでしたが、現在は橋によっていつでも往来が可能になっています。

♔1870年に設置された堤防道路が土砂の堆積によって近年は『海に浮かぶモン・サン・ミッシェル』の姿はめったに見る事が出来なくなっていました。

一時は陸地化していた堤防道路は駐車場となってましたね、、、当時テレビで映像を見て衝撃をうけましたΣ( ̄ロ ̄lll)

しかし、2014年に橋が完成し本来の『島』としての姿を取り戻しているようでなによりです(^^)

 

複合建築の修道院

モン・サン・ミッシェルは、何度も増改築を繰り返してきたこともあり、ゴシック様式やロマネスク様式、ノルマン様式という複数の建築様式が混在しています。

◆メルヴェイユ・・・13世紀にゴシック様式で増築された居住空間です。

それまではロマネスク様式で建築されていたモン・サン・ミッシェルでしたが、メルヴェイユでは、当時ヨーロッパで流行していたゴシック様式が用いられています。

1階は貯蔵室と貧しい巡礼者が施しを受けるための分配室があり、2階は『騎士の部屋』や、その隣には高い身分の巡礼者用大広間が造られます。

特徴的なゴシック様式の尖頭アーチの回廊がある3階は、『修道士の食堂』があります。

♔この中庭を囲む回廊の柱は、2本ひと組の列柱で、少しズレて並んでいるのが美しく神秘さを強めているようです。

♔1000年~1010年に建てられた聖堂の尖塔先端に、黄金のミカエル像が設置されています。

 

まとめ・感想

修道院でありながら要塞としての姿をしたモン・サン・ミッシェルは、『海に浮かぶ孤島』として人気ですが、2014年の夏に新橋が架けられるまで、その現象はなかなか見られなかったといいます。

そして2015年の3月21日に、18年ぶりの大潮によって『完全な孤島』の姿が見られるという事で、当時大変盛り上がっていたようです。(その姿を見たかった、、、たしかテレビのニュースで知りました。。。)

モン・サン・ミッシェルは小島ですが、観光施設はわりと充実しているようです。

島内にはホテル、レストラン、お土産屋さんが立ち並ぶ【グランド・リュ】というかつて巡礼者が歩いたとされる参道があります。モン・サン・ミッシェルのメインストリートですね。

 

 

 

参考資料:公式サイト=http://www.le-mont-saint-michel.org

参考資料:ヨーロッパの「古城・宮殿」がよくわかる本 桐生操監修/株式会社レッカ社

参考資料:世界一美しい夢のお城図鑑 世界のお城研究会(蓮見清一)/㈱宝島社 2014年

他多数のWebサイトから参考にしております

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