ラ・ロッシュ・ギヨン城
セーヌ川沿いにある石灰石の断崖に建つドンジョンとラ・ロッシュ・ギヨン城
国名 / 所在地
フランス共和国 / イル・ド・フランス地域圏、ヴァル=ドワーズ県、ラ・ロッシュ・ギヨン
概要
フランスの首都パリを中心としたイル・ド・フランス地域圏にある、『最も美しい村』(https://www.les-plus-beaux-illages-de-france.org/)に登録されているラ・ロッシュ・ギヨン村。
この村は、イル・ド・フランス(乳白色の石造り)と、コロンバージュ様式(木骨組み)と呼ばれるノルマンディー建築が混在した建物が並び、この地方独特の景色が見られます。
ノルマンディー地方は、印象派の巨匠クロード・モネの作品で数多く見られる地です。
その一つである、ラ・ロッシュ・ギヨンをモチーフにした『ラ・ロッシュ・ギヨンの道』(1880年)は、東京国立西洋美術館所蔵となっています。
この村にある代表的な見所の一つとなっている古城が【ラ・ロッシュ・ギヨン城】です。
軍事用の建物(現在はドンジョン(塔)のみ)と居住用建物(お城)は、低層部で繋がっていて100m以上ある隠し通路で行き来が出来ます。
現在お城の前庭園では、野菜や果樹を育てています。
建築様式
ルネサンス様式
建設の歴史
ラ・ロッシュ・ギヨン村は、紀元前に石灰石の断崖に洞穴を堀り、人々がそこに住んでいたことが始まりとされます。
※この村では、石灰質の洞窟ハウスで有名。
12世紀に、ラ・ロッシュ公によってドンジョン(見張り塔)が築かれます。
13世紀、その下に城館が建てられます。
1415年の『アジャンクールの戦い』(百年戦争中、フランス・アジャンクールでの戦い)で、ヘンリー5世率いるイギリス軍に敗れ、ラ・ロッシュ公は捕虜となり、一時お城はイギリス軍が占領しています。
1449年、ラ・ロッシュ公は、お城の奪還に成功。しかし継承する男子がなく、その後はロアン家、リアンクール家へと引き継がれます。
17世紀、フランスの名門貴族ロシュフコー家の所領となり、18世紀には野菜、果樹園が造営され館も改修されます。
2004年に庭園が復元され一般公開されています。
ラ・ロッシュ・ギヨン城の見所
城館からドンジョン(塔)へ行く階段は、石灰質の岩を削って造られています。その途中には、鳩小屋とされる穴が無数にあります。
当時は、鳩の糞を肥料に利用する目的で飼っていたそうです。
ドンジョンへ行く階段はかなり急で体力のあるうちに!階段は全部で250段だとか(>_<)
『最も美しい村』を一望出来るというだけあって、全て昇りきった先には美しい景色が待っているはず( ̄▽ ̄)v
まとめ・感想
城内には、かつて図書室だった部屋や劇場、公爵夫人のサロンがあります。
こちらのサロンには、18世紀のゴブラン織りタピストリーが4枚あり、描かれているのは旧約聖書『エステル記』(※ペルシャ王の后、ユダヤ人女性エステルの活躍を描いている。 出典:Wikipediaより)です。
実はこのタピストリー、1987年に一度手放されてしまいますが、後に国と県で取り戻したそうです。なぜ手放されたのかまではわかりませんが、取り戻せて良かったですね(^^)
印象派を代表するモネやルノワール、ポール・セザンヌなどが好んで描いたラ・ロッシュ・ギヨンの村とお城。想像力を掻き立て、静かでどこか陰影のある雰囲気を思わせます。
参考資料:歴史的古城を読み解く マルコム・ヒスロップ著 /株式会社ガイアブックス 2014年
参考資料:ヨーロッパの古城物語 ジャン・メスキ著(堀越孝一監修)/株式会社創元社 2007,2010年
他、多数のWebサイトから参考にしております
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